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薬剤師の宮本です。
前書き
皆さんの中には、錠剤が飲むのが苦手で自分で潰したり
カプセルが水に浮いて飲みにくくて中身を出して飲んだり
子供に飲ませようとして錠剤だと飲まないから潰したり
カプセルの中身をバラしたり
てなんてことしかことありませんか
そんな何気ないことですが
これらはしてはいけないことなのです
そもそも薬には皆さんが知らないいろんな考え方で工夫されているのをご存知でしょうか
ただただ丸や楕円形に固めたり、粉や顆粒を詰め込んだカプセルだけではないんですよ
そこらへんの詳しいお話をさせていただきます
口から飲む薬の定義と溶けるしくみ
日本薬局方と呼ばれる日本の薬のルールブックみたいなものがあります
そこには、錠剤、カプセル、粉薬のように口から飲む薬(経口投与する製剤)について大きく分けて2種類あることが書かれています
即効性製剤
製剤からの有効成分の放出性を特に調節していない製剤で、通例、有効成分の溶解性に応じた溶出挙動を示す
→薬の種類ごとに溶ける早さが効果の早さを自動的に決めること
放出調節製剤
固有の製剤設計及び製法により放出性を目的に合わせて調節した製剤で、腸溶性製剤、徐放性製剤などが含まれる
→薬の溶ける場所と早さを調節した薬
大きく分けてこの2種類があります
つまり、あなたが潰していた薬が「即効性製剤」であれば、粉にしたことで液体に触れる面積が広くなるので溶けやすくなり、効果が早く出る可能性があります
(砂糖の塊を溶かすのと、細かい粉砂糖の方がすぐ溶けますよね)
しかし、もし「放出調節製剤」を潰していたとしたら、それは薬の溶ける場所もスピードを調節する構造もすべて壊してしまうことになるため、薬本来の効き目を発揮していない可能性の方が高いのです
そして、「放出調節製剤」の文面でも出てきましたがさらに細かく2つに分かれます
放出調節製剤
腸溶性製剤
有効成分の胃内での分解を防ぐ、又は有効成分の胃に対する刺激作用を低減させるなどの目的で有効成分を胃内で放出せずに、主として小腸内で放出するように設計された製剤である
本剤を製するには、通例、酸不溶性の腸溶性基剤を用いて皮膜を施す
→胃では溶けずに、腸で解けるようにした薬で胃だと成分が分解されてしまうものを腸まで到達させて効果を発揮させるのを主な目的にしている

※引用:サプリメント効果選び方
徐放性製剤
投与回数の減少又は副作用の低減を図るなどの目的で、製剤からの有効成分の放出速度、放出時間、放出部位を調節した製剤である
本剤を製する際には、通例、適切な徐放化剤を用いる
→ゆっくりと成分が出るように調節することで飲む回数を減らす目的で作られている

※引用:田辺三菱製薬
この図のように早く溶ける部分で効果が出る量の成分を溶かして、その後からゆっくりと溶ける部分を作ることで体の中に一定量の成分を保持するようにすることで少ない量で効果を長く持続させることができます

※引用:専門薬学
これをドラッグデリバリーシステム(DDS)と呼びます
DDS・薬の体の効き方については別の回で詳しくご説明します
錠剤、カプセル、粉薬のように口から飲む薬には、このような工夫がされているのを一般の方はあまりよくわかっていないと思います
これらの工夫があることで、薬の成分が分解されたいようにしたり、飲む回数を減らしたりしているのです
まとめ
飲む薬の工夫についてのお話をさせていただきました
次回はもう少し詳しい剤型の種類にも触れながらお話をさせていただきます
薬を飲む時には、こういったことも知りながら扱うことで適正使用につながりますので参考にしてみてくださいませ
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