子供の免疫から考える「自然感染」と「ワクチン感染」

自然感染VSワクチン感染

※第 42 回日本小児感染症学会ミート・ザ・エキスパーツ 『抗体検査:目的・結果・次にすることは』 庵原俊昭より

抗体を作ることに関係するB 細胞には「記憶B細胞依存性短命プラズマ細胞」と「記憶 B 細胞依存性長命プラズマ細胞」の2種類があると考えられています。

ワクチン後の抗体価の半減期や フェロー島(デンマーク)の経験から,自然感染後やワクチン後早期の抗体産生細胞は主として「記憶B細胞依存性短命プラズマ細胞」が,自然感染後やワクチン後数年以降の抗体産生細胞は主として「記憶 B 細胞依存性長命プラズマ細胞」が関係していると考えられています。

つまり

ワクチンを打ったとしても生活環境で細菌・ウイルスにさらされる環境がないと抗体を作る記憶がどんどん失われていく

ということになります。

上記のデータは自然感染した時に抗体が半分になるときの年数を示しています。

中には無限大の数値を示すものも存在しており、自然に感染し継続的に細菌やウイルスがいる環境に身を置いていることが抗体を維持するのには必要なことなのかもしれません。

免疫のしくみ

◆皮膚免疫

一番外側の表皮は厚さがおよそ0.2mmとごく薄いのだが、この薄い表皮が実は水分の保持や感染からのバリアの役割を果たします。赤ちゃんの皮膚の厚さは成人の2分の1で、表皮の厚さは大人の半分の0.1mm程度しかない。たった0.1mmで外からの刺激を受け止めたり、感染からのバリアとして大人並みの機能を発揮することはできません。

生まれた時は皮脂が充分に存在してますが、4ヶ月で皮脂の分泌量が一気に下がってしまいます。皮膚からの免疫を考えると皮膚の保護の大切ですし、子供でアトピーが多いのもわかる気がします。

私たちの体にはあらゆるところで酸性かアルカリ性かで性質を持っています。

体の基本はアルカリ性です、しかし唯一酸性の部分は胃液と皮膚なのです。

それは細菌やウイルスを死滅させ体に入らないようにする防御の役割があるからです。

肌が弱酸性であることは、皮膚免疫を働かす為に大切な機能なのです。

皮膚では、もしも皮膚の奥に侵入してしまった際に働く「ランゲルハンス細胞」があります。この細胞がいることで、真皮の場所で免疫細胞たちが体に入るのを防ぐ最後の防衛線隣ます。

しかし、このランゲルハンス細胞を弱らせてしまう原因の1つとして石油系合成界面活性剤やステロイド、薬などがあります。石油系合成界面活性剤は、洗浄力・脱脂力および、強いタンパク質変性作用があるため、お肌を溶かし細胞を傷めてしまいます。その結果、ランゲルハンス細胞も破壊され皮膚の防御としての機能が衰えてしまいますので、シミ、しわ、吹き出物などの肌トラブルになるのです。

酸性化粧品のつけすぎもランゲルハンス細胞を怠けさせる原因となりますので注意しましょう。

そして、最終防衛線で体の中で抗体を作ったりすることに活躍するのがマクロファージなのです。

◆粘膜免疫(図は腸の免疫)

粘膜免疫は、肺や鼻、喉、腸などの消化器官などの内側の免疫に関係しています。

粘膜の上には粘液が膜を張っており、そこに細菌の層があり、抗体も存在しており粘液や母乳に多く含まれるIgA抗体が分泌されており、体の中に入る最終防衛線の役割を果たしています。

これを超えられてしまうと初めて感染したことになります。

このときもマクロファージが細菌・ウイルスが体の中に侵入したときに抗体を作ります。

◆体液免疫

血液のような体内では、2つの免疫のしくみが私たちの体には存在しています。

1番最初に反応するのが「自然免疫」です。

ここでまずは、細菌やウイルスなどの異物をマクロファージがパトロール中に見つけます。

その後に、獲得免疫の要になるヘルパーT細胞に連絡し、好中球、NK細胞、キラーT細胞に異物排除の命令を出します。

それをしている裏でヘルパーT細胞がB細胞に細菌やウイルスなどの異物に関係しする情報を伝えて抗体の準備が始まります。

最初に感染した時を1次免疫といい、ワクチン接種では注射した時がこれにあたります。

この時は、まだワクチンの種類ごとに特別な準備がされた抗体があるわけではなく、まんべんに感染を広げるのを抑えるくらいの力を持つIgM抗体が真っ先に反応し、ワクチンの種類にあった抗体を準備ができるとIgG抗体が反応するようになり感染の終息へと向かいます。

そして、ワクチンの一番の目標となっている2次免疫以降の2回目以降の感染したことによる対処を早めることができるようにするのが目標です。

この時には、もうすでに準備ができているIgG抗体がありますので、その細菌やウイルスに関係した特別な抗体をすぐに反応させることができます。

しかし、このワクチンや感染した時にできる抗体、特にIgG抗体の準備には基本的に2〜3週間の時間が必要と言われています。

ワクチンを打ったからといってすぐに出来上がるものでもないのです。

そして、赤ちゃんの場合には、お母さんの抗体が残った状態であり、母乳から抗体を補っている状態であり、自分で抗体をつくる、ましてや免疫を確立するのにはまだ不十分な生育のことも多いのです。

ワクチンを打たせることには、抗体をしっかりと構築させることが大切です。

そう考えた時にどの時期に打たせるかは大変重要なポイントと言えます。

また、抗体価が高いから良いのか?、低いからダメなのか?

これに関しては絶対的な保証はありません。

なぜならば、体液免疫のところで図としても示しましたが、抗体があるから感染防御が低いわけではないからです。

抗体価が低くても自然免疫で抗体を作らなくても対処できてしまって、症状が出ないケースも少なくないからです。

抗体があるから安心ではなく、しっかりと細菌やウイルスに感染しても自分で守れる体であることが一番大切なことなのです。

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