思考と精神の癒し「マインドフルネス」で今の心を意識するとは

マインドフルネスとは

私たちの中に、喜びと幸せを育むエネルギーがあり、それは誰にでも備わっています。このエネルギーをブッダ(お釈迦様)がマインドフルネス(気づきの力・念)と呼んでいました。それが応用されて、過去や未来のことを意識しすぎて「脳・心・体」の疲労感を生んでしまう状態から解放されて「今ここ=今の心(念)」にいる瞬間を意識して、自己評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ客観視すること、今生きている「自分を大切にすること」に焦点を当てることがマインドフルネスなのです。アーユルヴェーダの瞑想、日本の坐禅と似たような意味合いを持ちます。また近年では、うつ病の薬を使わない第3世代の認知行動療法のとしても位置付けられております。

マインドフルネス継続による3段階過程
  • いまここにに注意を向けるのに躍起になる段階
  •  心がさまよっていることに気づき、いまここへ注意を向け直せる状態
  •  努力せずともつねに心がいまここにある状態
マインドフルネスの日常生活の効果
  • 集中力の向上:1つのことに意識を向け続けることができるようになる
  • 感情調節力の向上:ストレスなどの刺激に対して感情的な反応をしなくなる
  • 自己認識への変化:自己への囚われの減少、自己コントロール力の向上
  • 免疫機能の改善:ウイルス感染などに対する耐性、風邪を引きづらい
マインドフルネスの臨床効果
  • 不安、落ち込み、イライラなどは、瞑想の継続によって低下します。
  • 記憶力は改善し、反応速度は速くなり、精神的、身体的スタミナが増加します
  • 習慣的に瞑想を行っている人は、より良好で、満足度の高い対人関係を維持します
  • 世界各国で行われている人は、より良好で、満足度の高い対人関係を維持します。
  • 慢性疼痛やがんといった、より重大な疾患の症状を和らげるのに効果的であること
  • 薬物、アルコール依存症の症状を緩和するのに効果があること
  • これまでの研究から、瞑想が免疫機能を高め、風邪やその他の疾患への抵抗力を高める

瞑想は、私たちの心の感覚を鈍くさせたり、職業上の重要なキャリヤや人生のゴールを諦めさせるものではありません。ましてや、人生に対して無理に底抜けに明るい楽天家のような態度をとらせるものでもありません。また受け入れがたいことを無理に受け入れさせようとするものでもありません。

瞑想とは、現実をより明確にとらえようとする試みのことです。そうすることで、何かを変える必要のあることに対してより賢明でより妥当な行動を捉えるようになります。瞑想によって私たちは、深遠で思いやりに満ちた気づきを育むことができ、そしてそれによって自分自身のゴールを評価し、私たち自身が最も大事にする価値を実現するための最適な方法を見つけることができると言われています。

医療の変化

病気 病気の理由
消化器系の感染症 公衆衛生
呼吸器系の感染症 劣悪な労働環境
生活習慣病 不良な生活
ストレス性疾患 ストレス社会による社会不適合

今こうして、マインドフルネスなどの精神に関係した分野が少しずつ注目されてきている背景には、医療のターゲットの変化に関係してきます。

大昔は、衛生面が悪い状態で起きる感染症が多く、消化器系が「食中毒」、呼吸器系「伝染病」に関連したものが多かったこと

その次には、食生活や生活環境の変化、少しずつ豊かになっていったことで「生活習慣病」が医療のターゲットへと変わっていきます。

そして現代では、あらゆる事柄からストレスに常に感じてしまうような状況がある社会体制となってしまったことが、精神に関連した疾患を増やし、医療のターゲットへと変わっていきます。

ストレスと精神にマインドフルネスがどんな効果を示すのでしょうか。

マインドフルネスが治療に用いられた例

うつ病についての調査

うつ病の多くは、過度なストレスが思考を過去と未来を行き来することで脳疲労となり、自律神経の乱れや副腎疲労へとつながります。オックスフォード大学の研究チームが行った研究では、長期間の薬物治療を受けている重度のうつ病患者を対象に、無作為に2つのグループに分けました。一方には抗うつ薬の理療を継続し、もう一方は薬の処方を完全に断ち、週2時間のマインドフルネス認知療法に切り替えました。8週間の治療後2年間追跡調査を行い、うつ病の再発率について調べました。その結果、再発率には差がありませんでした。マインドフルネス認知療法による8週間のカウンセリングが、薬と同等の効果を発揮したことになります。

がん医療の現場

がん医療では、サイコオンコロジー(精神腫瘍学)という分野があり、心の状態・ストレスの深具合が治療の進行を遅らせたり、痛覚・不安を必要以上に感じやすくなったり、心のケアを行うことも積極的に行われています。この分野では、がん患者だけでなくご家族の心理・社会・行動的側面など幅広い領域での研究・臨場実践・教育を行っております。ここでもマインドフルネスは、有効な方法として取り上げられていくことでしょう。

自分を生きるマインドフルネスの考え方

「することモード」と「あることモード」の7つの特徴
「することモード」 「あることモード」
「自動操縦」

習慣という方法での生活の自動化

無意識に行ってしまう

「意識的な選択」

自分の内面に気づくことによって、物事を意識的に選択できるようになる

「分析する」

世界を直接的に体験しないで、気づきのないまま、思考の中に生きてしまう

「気づく」

それまでにほとんど使ってこなかった感覚を呼び起こして、世界を感じるようになる

「闘う」

「現実の世界」VS「こうあってほしいと願う世界」の比較で2つの世界のギャップが視野を狭くします

「受容する」

評価や判断を行わず、そのときの瞬間をあるがままの状態にしておきながら、世界をそのまま眺める
今この瞬間の体験を認めるということ

「絶対的な事実としての思考」

ストレスを感じているときの思考を事実としてしまうと、体からのメッセージを無視し、ネガティブな感情が強まり、思考があなたをコントロールするようになる

「心の出来事としての思考」

思考は思考に過ぎない心の中の出来事

思考は、自分自身や世界に対する自分の解釈に過ぎないことを理解する

「回避」

「アンチ・ゴール=行きたくない場所」の設定によって、疲れやストレスを感じないようにすればするほど、逆に消耗し燃え尽きてしまう

「接近」

回避しようとするものに対して「近づく」

心の中にある自分にとって最も避けたい辛いことを、共感的な関心をもって批判や否定をしないで眺めること、気づくこと

「過去・未来」

現在のネガティブな感情が与える影響に気づかないと、過去の記憶や将来の予測が単に自分の思考に過ぎないと忘れてしまう

「精神的なタイムトラベル」に迷い込む

「現在の瞬間」

今自分の心に浮かんでいる思考を意識的に見ることで、今ここに生きていることを意識する
現在の感情に左右されずに過去や未来を歪めずにありのままを見ること

「消耗させられる活動」

家事、子育て、介護などやるべきことに集中しすぎることで、自分自身の健康と幸福感を置き去りにする

「栄養を与えてくれる活動」

自分の心に栄養を与えてくれるものや内的なエネルギーを奪ってしまうものにはっきりと気づける

「することモード」から「あることモード」へ意識を向けていくことが大切になっていきます。

脳の疲労を癒すマインドフルネス

私たちの脳は意識していなくても常に活動しており、脳のアイドリング状態に関係するデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)が存在します。DMNには、内側前頭前野、後帯状皮質、楔前部(けつぜんぶ)、下頭頂小葉などからなる脳回路であり「心がさまよっているときに働く回路」とも言われています。人間の脳は、1日の約半分以上を心がさまようことに費やしていると言われています。

また内側前頭前野、後帯状皮質は、記憶と感情などにも関係しており、10年以上のマインドフルネス瞑想実践者では、活動が低下していることが分かっています。このDMNのエネルギー消費は、脳全体のエネルギーの60~80%を占めていると言われており、逆に意識して作業をするときの脳の消費エネルギーは5%ほどと言われています。脳疲労の最大の要因はDMNのエネルギー消費を抑えて、脳のアイドリング中の雑念をなくしていくことが大切になっていきます。

人間の脳は何歳になっても、その使い方次第で、絶えず自らを変化させていきます。これを脳の可塑性といいます。マインドフルネスを習慣的に継続していれば、脳の一時的な働き具合のみならず、構造そのものも大きく変わっていくことが分かりました。マインドフルネスは脳疲労への対症療法だけでなく、予防法としても活かせます。マインドフルネスを継続した人では、ストレスホルモンであるコルチゾールの数値が低く出た結果から「ストレスに強い脳=疲れづらい脳」を形成する効果が十分に期待されています。また、あるグループの研究によると、マインドフルネスによって大脳皮質が厚くなったという報告もあります。

大脳皮質とは脳の表層にある最も進化した部分です。その体積が増すということは、脳の総合的機能が高まることを意味します。さらに、老化に伴う脳の萎縮を抑える効果も認められています。左海馬、後帯状皮質、小脳で灰白質の密度増加も観察され、記憶力が強化されることも考えられます。

またベテランの瞑想実践者の脳内では、後帯状皮質(DMNの主要部位)と背側前帯状皮質あるいは背外側前頭前野の連結が強化されていました。これは、心がさまよわないように、脳内のネットワークが変化しているということです。そのほか、いくつかの研究を横断的に分析した結果、マインドフルネスは8つの脳領域において、統計的に有意な構造変化(容積、密度などの)をもたらすことがわかっています。

 

 

 

 

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