腸内環境が動脈硬化・心不全を起こす!腸内細菌が生み出す原因物質とは

動脈硬化・心不全 『トリメチルアミン N オキシド(TMAO)』

牛、豚、鶏のレバーや卵、大豆、ささげに多く含まれて、細胞膜・脳神経・神経伝達物質に関係する「コリン」、赤身肉に多く含まれ、脂肪燃焼にも関係する「カルニチン」はいずれも、腸内細菌によってトリメチルアミン(TMA)に変換される。TMAは、さらに肝臓のフラビン・モノオキシゲナーゼ3(FMO3)により酸化されてトリメチルアミンNオキシド(TMAO)となる。このTMAOがアテローム性動脈硬化を促進することが以前から言われるようになっていた。

エンテロタイプ1型 バクテロイド優位
エンテロタイプ2型 プレボテラ優位(歯周病菌の1属)
エンテロタイプ3型 他に比べてルミノコッカスが若干優位

※Koeth RA, et al. Intestinal microbiota metabolism of L-carnitine, a nutrient in red meat, promotes atherosclerosis. Nat Med 2013; 19: 576-85

論⽂でKoethらは、雑⾷者30名と菜⾷者23名の腸内細菌叢と⾎漿TMAOの関係を調べた。⾎漿TMAOレベルは、エンテロタイプ 1型(49名)では低く、エンテロタイプ 2型(4名)では⾼かった。このデータから、エンテロタイプによるカルニチンの作⽤に違いがあること、すなわちエンテロタイプ1型ではカルニチンは良い影響があり、エンテロタイプ2型では悪い影響があることが⽰唆される。

79種類のヒト由来の菌を用いてTMA産生能をスクリーニングしたところ、8種類の菌種(Anaerococcus hydrogenalis, Clostridium asparagiforme, Clostridium hathewayi, Clostridium sporogenes, Edwardsiella tarda, Escherichia fergusonii, Proteus penneri, Providencia rettgeri)でTMA産生能を認めました。しかしこれ以外にも、TMA産生能をもつ菌がいる可能性は十分にあります。

TMAO合成を抑制する化学物質

別のWangに論文では、コリンからTMAを産生するのを阻害するものとして、3,3-ジメチル-1-ブタノール(DMB)が関係していることを発見しました。DMBは、バルサミコ酢、赤ワイン、オリーブ油およびグレープシード油(最高レベルは25mMであった)に多く含まれており、コリン・カルニチン由来のTMA産生を抑制したとされています。

このことから、動脈硬化・心不全予防で腸内環境を整えるだけでなく、赤身肉・加工肉を摂取する際には、バルサミコ酢、赤ワイン、オリーブ油およびグレープシード油で料理したり、摂取することが大切なのかもしれません。

※Wang Z, et al. Gut flora metabolism of phosphatidylcholine promotes cardiovascular disease. Nature2011; 472: 57-63
※Koeth RA, et al. Intestinal microbiota metabolism of L-carnitine, a nutrient in red meat, promotes atherosclerosis. Nat Med2013; 19: 576-85
※Wang Z, et al. Non-lethal Inhibition of Gut Microbial Trimethylamine Production for the Treatment of Atherosclerosis. Cell2015; 163: 1585-95

 

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