プロビタミンA(β-カロテン)の抗酸化効果を引き出す方法と注意してほしいこと

β-カロテンの基礎知識

ビタミンAは、脂溶性ビタミンレチノイドとビタミン前駆体カロテノイド(プロビタミンA)に分類されます。

プロビタミンAは、緑黄色野菜などに多く含まれております。
α、β、γ-カロテン(カロテン類)、βクリプトキサン(キサントフィル類)などの総称として使われます。
体内で必要な分だけを代謝することで、プロビタミンAからビタミンAを作り出すことをしております。
主に小腸でビタミンAに変換され、約600種類のカロテノイドが発見されていますが、その中でプロビタミンAは約50種類程度で、それ以外を非プロビタミンAと呼びます。

プロビタミンA α、β、γ-カロテン、βクリプトキサン、エキネノン、アスタキサンチン
非プロビタミンA ルテイン、リコピン、ゼアキサンチン

プロビタミンAの中でも一番活性が強いのがβ-カロテンです。
(動物由来のビタミンA(レチノール)については、ビタミンAの記事へ)

β-カロテンすべてがビタミンAに変換されるわけではなく、小腸での吸収効率やビタミンAへの変換率を考慮すると、β-カロテンはレチノールの1/6の効力に相当すると見積もられています。

β-カロテンはカロテノイドと呼ばれており、赤・橙・黄色の色素グループの1つです。アメリカでは食事に必要なビタミンAの約50%が、β-カロテンなどのカロテノイドにより摂取されております。

米国心臓協会、米国対がん研究協会と提携する世界がん研究基金、世界保健機関の国際がん研究機関など多くの機関が、少なくともサプリメントの有益性が研究により明らかになるまでは、β-カロテンなどの抗酸化物質をサプリメントではなく食品から摂取するよう推奨しています。

果物や野菜を1日5皿食べると、6~8㎎のβ-カロテンを摂取することができます。

β-カロテンの成分から見た役割

β-カロテンなどのプロビタミンAには、ビタミンAにはない抗酸化作用を持っています。活性酸素や過酸化脂質などのフリーラジカルの電子の移動を行います。

カロテノイドの抗酸化力一覧
カロテノイド 抗酸化力【一重項酸素消去定数(10^-9 Kq)】
ハロシンシアキサンチン 0.004
フコキサンチン 0.009
β-カロテン 0.089
ゼアキサンチン 0.22
カンタキサンチン 2.1
アスタキサンチン 3.3

※アスタキサンチンは改めてご紹介いたします

※これからお示しする内容は、あくまで栄養補助を目的とした内容です。
使用量の推奨・安全性・効果を絶対的に保証するものではありません。
多くの方の学びとなるように、適正使用を促すように構成させていただいております。

 

安全性

成人および小児が、特定の疾患に対して適切な量を経口摂取する場合、ほとんどの人に安全と言われております。ただし、β-カロテンサプリメントの医療目的以外の一般仕様は推奨されておりません。

多量のをβ-カロテン長期摂取した場合 皮膚が黄色またはオレンジ色になるおそれがあります。
多量のマルチビタミンにβ-カロテン単独のサプリメントを併用摂取すると、進行前立腺癌の発症リスクが高まる懸念があります
血管形成術後 β-カロテンなどの抗酸化ビタミンは、血管形成術と同時期に摂取すると血管形成術後に有害な影響が出る、治癒を阻害するおろれがあります
アスベスト曝露歴 がんのリスクが高まるおそれがあります
喫煙 喫煙者の結腸がん、肺がん、前立腺がんのリスクを高めるおそれがあります

 

妊娠中・授乳期

適量を経口摂取する場合、ほとんどの人には安全なようです。しかしながら、高用量の一般仕様は推奨されておりません。

使用量の目安

成人 詳細
赤血球産生性プロトポルフィリン症(EPP) β-カロテン180mg/日、効果が見られない場合には300mgまで増量
日光過敏症の人の日焼け予防 β-カロテン24〜25mgとその他のカロテノイドを含む製品を12週間摂取
加齢黄斑変性(AMD)の治療 β-カロテン15mgをビタミンC500mg、ビタミンE400IUとともに毎日摂取(酸化亜鉛80mgの併用も良い)
出産後の合併症予防 β-カロテン週に42mg摂取
妊娠に関わる合併症予防 β-カロテン週に42mg摂取

 

小児

赤血球産生性プロトポルフィリン症(EPP)

年齢 摂取量(1日量)
1〜4歳 60〜90mg
5〜8歳 90〜120mg
9〜12歳 120〜150mg
13〜16歳 150〜180mg
16歳以上 180mg

十分な光防御が得られない場合には、16歳未満の小児では1日あたり30〜60mgの摂取量増量することができます。
16歳以上は1日の合計摂取量を300mgまで増やすことができます。

1日の推薦摂取量は研究不十分なため設定されておりません。

β-カロテンサプリメントには、水溶性と脂溶性がありますが、研究によれば水溶性の方が吸収率が良いようです。
(吸収率が良い分、摂取量は小さくて良い)

ビタミンA換算は、こちらから

医薬品との相互作用

ニコチン酸 血清HDL-コレステロール量を増加させる可能性があります
β-カロテン、ビタミンE、ビタミンC、セレンを併用すると血清HDL-コレステロール量に対するニコチン酸の作用が減弱する可能性があります
コレステロールを下げる薬
(スタチン系:HMG-CoA還元酵素阻害剤)
β-カロテン、ビタミンE、ビタミンC、セレンを併用すると血清HDL-コレステロール値を下げる医薬品の作用を減弱させる可能性があります
β-カロテン単独では医薬品の作用減弱効果は明らかではない

ハーブ・健康食品・サプリメントなどの併用について

アルコール 過度の飲酒は体内のβ-カロテン値を減少させ、レチノール(ビタミンA)を増加させます
これによりがんのリスクが高まることが懸念されています
オレストラ(代替油脂) β-カロテンの作用を阻害する可能性があります
健康な人の血清β-カロテン濃度を27%減少させます

 

有効性

有効性が期待できる内容

病名・不調 詳細
赤血球産生性プロトポルフィリン症 β-カロテンの経口摂取により日光過敏症が緩和する可能性があります
加齢黄斑変性(AMD) β-カロテン、ビタミンC、ビタミンE、亜鉛
を併用して経口摂取した場合にのみ
加齢黄斑変性が進行した患者の視力喪失、加齢黄斑変性症状の悪化を予防します
亜鉛以外の抗酸化物質をβ-カロテンと併用しても同様の効果はないようです
乳がん 乳がんリスクの高い閉経前の女性がβ-カロテンを含む果物や野菜をより多く摂取すると、乳がんリスクが低下する可能性があります
(乳がんリスクの高い:家族歴、アルコール摂取量が多い女性を意味する)
出産後の合併症予防 妊娠前・中・後のβ-カロテンの経口摂取により、出産後の下痢や発熱などの発症率が低下する可能性があります
妊娠に関わる合併症 β-カロテンの経口摂取により、栄養不良の女性の妊娠に関わる死亡率、夜盲、出産後の下痢、発熱などのリスクを低減する可能性があります
日焼け β-カロテンの経口摂取により、日光過敏症の人の日焼け減少する可能性があります
ただし、β-カロテンを摂取してもほとんどの人の日焼けのリスクにそれほど影響はないようです

 

有効性が期待できない内容
  • 腹部大動脈瘤の予防(男性喫煙者のβ-カロテン約5〜8年摂取の研究より)
  • アルツハイマー病予防(β-カロテンを多量に含む食事摂取研究より)
  • 白内障(β-カロテン単独またはビタミンC、ビタミンE、亜鉛の最大8年間の併用研究より)
  • のう胞性線維症(β-カロテンを最大14ヶ月の経口摂取研究より)
  • 糖尿病
  • 色素性母斑(β-カロテンを3年間経口摂取研究より)
  • 肝がん(男性喫煙者のβ-カロテン約5〜8年摂取の研究より)
  • 肝疾患(男性喫煙者のβ-カロテン約5〜8年摂取の研究より)
  • 全死亡率(β-カロテン、ビタミンC、ビタミンE、亜鉛を約7年間摂取して男性にのみ低下する可能性を示す研究あり、女性はない)
  • 脳卒中(男性喫煙者のβ-カロテン約6年摂取の研究より、飲酒者は逆に危険性が増す研究があり)
  • がん(β-カロテン単独では予防・減少効果がない、一部の研究ではβ-カロテン、ビタミンC、ビタミンE、亜鉛併用で男性のがん発症率の低下は示されているが、女性は低下させない可能性が示唆されています)
  • 心疾患
  • 結腸がん(飲酒・喫煙しない人に限りβ-カロテン単独、またはビタミンC、ビタミンE、セレン、炭酸カルシウムと併用で再発リスク低下の可能性あり)
  • 肺がん(喫煙者、喫煙歴がある人、アスベスト曝露歴がある人、喫煙だけでなく飲酒する人では、β-カロテンで肺がんのリスクが高まる可能性があります)
  • 前立腺がん(β-カロテンでリスクが高まる報告の方が多いです)

 

科学的根拠が不十分な内容

皮膚の加齢変化、筋萎縮性側索硬化症、気管支喘息、化学療法の副作用、配信間の合併症予防、精神活動、食道がん、運動により誘発される気管支喘息、ヘリコバクターピロリ感染、HIV/エイズ、口腔白板症、口腔粘膜炎、変形関節症、卵巣がん、膵がん、体力、多型光線疹、アルコール依存症、慢性疲労症候群、うつ病、てんかん、頭痛、むねやけ、高血圧、不妊、パーキンソン病、乾癬、関節リウマチ、統合失調症など

サプリメント選びの指標

Dsalina (ドナリエラまたはシオヒゲムシ):カロテノイドを大量発生させる藻

用法:脂溶性のため食後服用

★β-カロテンの吸収を高めるには、加熱料理が適していることが知られています。※(1)

※これらの示した内容は、あくまで栄養補助を目的とした内容です。
使用量の推奨・安全性・効果を絶対的に保証するものではありません。
多くの方の学びとなるように、適正使用を促すように構成させていただいております。

 

【参考リンク】
※「統合医療」情報発信サイト
※健康長寿ネット

【参考文献】
※健康食品の世界標準オンラインデータベース『ナチュラルメディシン・データベース』(NMCD)
※ヘルシーエイジングに役立つサプリメント・健康食品―科学的根拠に基づいた適正使用のための情報 (元気と美しさをつなぐヘルシー・エイジング・シリーズ No. 3)

【参考論文】
※(1)Hof, Karin H. van het, et al. “Carotenoid bioavailability in humans from tomatoes processed in different ways determined from the carotenoid response in the triglyceride-rich lipoprotein fraction of plasma after a single consumption and in plasma after four days of consumption.” The Journal of nutrition 130.5 (2000): 1189-1196.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です