インフルエンザウイルスの病気の現状からワクチンを考える

インフルエンザウイルスのポイント

インフルエンザ【ウイルス・任意接種:不活化ワクチン(2回:毎秋)】2018年

インフルエンザウイルスは、A・B・Cの3つの型に分類されています。

毎年流行を起こすのはA型とB型で、パンデミックを起こすのはAです。

インフルエンザは、主に冬期に流行する「流行性感冒」です。

【感染ルート】

一番多い感染経路は、咳やくしゃみをしたときのつば、呼吸のときの水蒸気のような水分にくっついて人に感染する飛沫感染が多く、その水分が付いたものを触ったりしたことによる接触感染でも起きます。

【病気の解説】

■『A型インフルエンザ』
(変異しやすい)

A型インフルエンザウイルスは、症状が一番激しい型

一般的に言われている「インフルエンザ」

また、A型は人以外にも鳥・豚などにも感染

・38℃を超える高熱が出る

・気管支炎、肺炎を合併しやすい

・関節痛、筋肉痛、全身倦怠感がある

・稀に脳炎、脳症の合併症を引き起こすことがある

・鼻やのどの腫れが後から出てくる

変異を起こしやすい理由としては、ヘマグルチニンとノイラミニダーゼのパターンが多いこと、また同じパターンでも先端の鍵が少しずつ変化していくことが原因です

またヘマグリチニン細胞への侵入に、ノイラミニダーゼ細胞外へ放出するのに関わります

■『B型インフルエンザ』
(変異しにくい)

A型インフルエンザほど、大きな流行にはならない

B型は、人にしか感染しない

2〜3月に流行り始める

・お腹の風邪の症状に近く、下痢やお腹の痛みを訴える人が多い

■『C型インフルエンザ』
(変異しにくい)

1度免疫を獲得すると、一生かからないと言われている

再びかかったとしてもインフルエンザだとは気づかず済んでしまうことが多い

C型は、人にしか感染しない

・ほとんどの大人が免疫を持っている

・かかるのは4歳以下の幼児が多い

・かなり軽症で済むことが多い

・鼻水以外の他の症状は表れないことが多い

ワクチンについて

『インフルエンザHAワクチン 「KMB」』★添付文書ワクチン接種を受ける人へのガイド
『インフルエンザHAワクチン
「北里第一三共」シリンジ0.25mL・0.5mL』★
添付文書ワクチン接種を受ける人へのガイド
『インフルエンザHAワクチン
「北里第一三共」1mL』★
添付文書ワクチン接種を受ける人へのガイド
『インフルエンザHAワクチン「生研」』★添付文書ワクチン接種を受ける人へのガイド
『ビケンHA』★添付文書ワクチン接種を受ける人へのガイド

『フルービックHAシリンジ』★
添付文書ワクチン接種を受ける人へのガイド 
『フルービックHA』★添付文書ワクチン接種を受ける人へのガイド

※「ワクチン接種を受ける人へのガイド」は添付文書を一般向けに簡略化したものです
※※新型インフルエンザのプレパンデミックワクチンを除く
★定期・任意接種補助対象

【流行分布】

引用:国立感染症研究所

2017年の一番流行ったとき(4週目)では定点あたりの報告数が40で、約5,000カ所の内科の小児科からデータを得てますので、この週だけで約20万人

計算の仕方
1週間の定点当たり報告数×定点=1週間の患者数

子供に罹りやすい感染症の参考の数字として(2017年)

  • 溶連菌:25週目で1週間で最高約1万人
  • 手足口病:30週目で1週間で最高約3万人
  • RSウイルス:38週目で1週間で最高約1万人

参考データ:感染症発生動向調査週報2017年第51・52週(第51・52合併号) 

◆インフルエンザワクチンの抗体産生について


※第 42 回日本小児感染症学会ミート・ザ・エキスパーツ
『抗体検査:目的・結果・次にすることは』 庵原俊昭より

上の図は同じA/H1N1のインフルエンザA型のワクチンでも年が変わってしまうと抗体価に差ができることを示してます

2009年のシーズンではA/H1N1の抗体価が80に対して、2010年シーズンでは10以下です

これくらいインフルエンザAは変異をしやすいウイルスであり、逆にインフルエンザBは1年では変化しにくいのです

毎年10月から予防接種の予約・接種スタートします

今まではA型2種類、B型1種類の混合ワクチンでしたが

2015/2016年シーズンからA型2種類、B型2種類の混合ワクチンへ変更となりました。

抗インフルエンザ薬はウイルスを殺さない

抗インフルエンザ薬の共通項目として記載されているのが「症状発現から 48 時間経過後に投与を開始した患者における有効性を裏付けるデータは得られていない。」という項目です

つまりは、ご自身がインフルエンザを発症したと思われる日数から2日以上経過している場合には、抗インフルエンザ薬の処方の有効性は期待できないことを知っておきましょう

また、抗インフルエンザ薬を予防的に用いるのは日本くらいです。

シンメトレル
インフルエンザAのみ適応
  添付文書     
現在この薬はアメリカでは使用が禁止されています。
その理由は、この薬に対して耐性を持つウイルスが発生し始めているからです。
シンメトレルを服用した際に解熱・症状緩和にかかる時間が徐々に延びているという報告があり、日本では現在も使用されることはほとんどありません。
この薬は、現在は主にパーキンソン病の治療薬として用いられていますが、パーキンソン病治療でも徐々に新薬へと処方がシフトしている状況です。
タミフル
インフルエンザA/B適応
添付文書    
初めての内服による抗インフルエンザ薬として注目されましたが、小児の以上行動の事件もあり保護者の注意喚起が強くされている薬です 。
リレンザ
インフルエンザA/B適応
 添付文書   
初代の吸入型の抗インフルエンザ薬
イナビル
インフルエンザA/B適応
 添付文書  
1回吸入するだけで治療を完結させる点にあります。
10歳以上は2容器2つを、10歳未満は1容器を吸入するだけで、継続した治療は必要ありません。
ただし、1回の治療でしっかりと薬を吸入する必要があるので、病院で医師や看護師の指導を受けながら吸入するのが安心です。 
ラピアクタ
インフルエンザA/B適応
添付文書 
抗インフルエンザ薬初の点滴バック剤 
ゾフルーザ
インフルエンザA/B適応
添付文書 
今までの抗インフルエンザ薬は、ウイルスが感染した細胞から外へ飛び出すのを防ぐ薬が大半で、体内での感染拡大を防ぐ効果しかありません。
つまり、細胞内ではウイルスが増殖し続けている状態で、細胞の中に閉じ込めて免疫の力で細胞ごと倒す以外にはウイルスを減らす手段がありませんでした。
こちらの薬は、細胞内のインフルエンザウイルスの増殖をできなくする薬となっております。 

薬の作用点

インフルエンザの合併症(インフルエンザ脳症)

インフルエンザ脳症とは、けいれん、意識障害、異常行動などの神経症状が急速に進行して後遺症が残ったり、最悪の場合は多臓器不全を起こすなど死に至るケースもあります

インフルエンザにかかった1~5歳の乳幼児に多くみられますが、大人でも発症することがあります

厚労省研究班による2010年の報告では、急性脳症の原因第1位はインフルエンザで全体の27%(年間推定300〜500人)

はっきりとした原因は分かっていませんが、インフルエンザの発熱時に強い解熱鎮痛薬(NSAIDs)を使用すると、インフルエンザ脳症の予後を悪化させるとして、小児への使用は禁忌となりました

解熱鎮痛薬の多くが、急激な解熱作用を持つ、解熱をしたことで代わりに炎症反応が活発化していきます

その結果、過度な炎症反応によって体の内側の細胞破壊が進みます

小児用には、少し違うアセトアミノフェンの成分がほとんど使われています

熱が出たからと言って、気軽に大人用の市販薬を少量にして飲ませてはいけません

大人も風邪薬でなくても痛み止めも販売の仕方が違うだけで、同じ仲間の「解熱鎮痛薬」の成分なので注意が必要です

薬による異常行動について

以前までは、タミフル服用による異常行動という認識がありましたが、近年では子供だけでなく大人にも異常行動を示す人が増えてきました

その原因となっているのが、薬ではなく高熱による脳炎なのではないか、もっと専門用語的に言うと急激な炎症反応「サイトカインストーム」によって脳が過激な免疫反応によって傷つくという説が私の繋がっている医療従事者間の情報交換で感じております

そもそも炎症が過激になると臓器障害が起きることは多くの医療従事者が知っていることでもあります

この「サイトカインストーム説」に私自身が納得しているもう1つの理由が既にご紹介しました「インフルエンザ脳症」の機序に似ているからです

インフルエンザの小児が、ロキソニンやバファリンのような非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を高熱時に使用し、高熱を薬で抑えられることでインフルエンザウイルスの増殖を逆にしやすい環境を作って急速に増殖をし始めます

薬の効果が切れたときに、体の中にはウイルスが大量増殖しており、それを免疫がさらなる高熱を促し免疫反応でインフルエンザウイルスを倒そうとします

このときに免疫反応を起こさせるために「サイトカインストーム」を起こして急激な体温上昇させ、脳を過激な免疫反応によって傷つき最悪の場合死に至ります

この感じにすごく似ていたため、タミフルの事件が起きましたが、本当の理由は急激な高熱による脳炎「サイトカインストーム」が原因なのではないかと考察しております

まとめ

実際の流行りの分布図は毎週更新されております。ワクチン接種を安全に行う検討する際に参考にしていただければ幸いです。

インフルエンザワクチン接種とインフルエンザとの関連を独自調査しましたので、こちらもよければ参考にしてくださいませ

インフルエンザ予防接種には本当に発症を防ぐ効果が期待できるのか調査してみた

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