貧血で頭・視界が急に真っ白に!お家でできるセルフケアリスト

意外と知らない「貧血」ってどんな不調

ゴロ−@解剖生理イラスト

貧血にもいろんな種類があるのですが、上記の図のような赤血球の大きさの障害や色素の違い、またすぐに壊れてしまったり、酸素が運べなかったりと様々です。

それぞれの貧血の特徴を知りながら、ご自身の貧血についても考えてみましょう。

◆鉄欠乏性貧血

鉄欠乏性貧血は、日本人の貧血ではもっとも頻度が高い貧血として知られております。

鉄は、体内に3〜4g存在し、その2/3が血液の赤血球の素になるヘモグロビン、1/4が貯蔵鉄(フェリチン)、残りは筋肉や血清に存在すると言われています。

鉄の吸収・排泄は1mgほどで少ないのですが、これは脾臓で破壊された赤血球(寿命は約120日)のヘモグロビン鉄を再利用しているからです。

しかし、鉄の摂取不と吸収不足、鉄の需要と排泄の増加によって、鉄欠乏が慢性的に進行すると貧血となります。

鉄の摂取と吸収不足には、食物からの摂取不足、胃切除や胃酸分泌低下による鉄吸収阻害があります。

鉄需要の増加には、妊娠、授乳、成長期等があります。

鉄排泄の増加は、子宮関連の疾患による月経過多、胃・十二指腸潰瘍、痔、悪性腫瘍(がん)、潰瘍性大腸炎、クローン病などによる消化管出血が考えられます。

症状として有名なのが、「スプーンネイル」と呼ばれる爪がスプーンのように反ってしまったり、粘膜組織の萎縮による嚥下困難、萎縮性胃炎もよくみられます。

◆溶血性貧血

赤血球の破壊が亢進したことによって起きる貧血です。

先天的なものと後天的なものがあります。

先天的溶血性貧血    赤血球膜の異常、赤血球酵素異常、ヘモグロビンの異常
=壊れやすい赤血球がたくさんできている
後天的溶血性貧血発作性夜間ヘモグロビン尿症
=遺伝子の後天的な変異で壊れやすい赤血球がたくさんできている

自己免疫性溶血貧血
=抗体によって赤血球が破壊されていく

症状としては、皮膚が全身黄色くなる黄疸や脾腫、胆石が見られるようになります。

◆再生不良性貧血

赤血球だけでなく、すべての血球の数の減少(白血球、血小板なども)と骨髄の低形成によって、造血幹細胞が減少して血球が生み出されなくなることで起きる貧血です。

先天的なものをFanconi貧血と呼び、後天的なものは薬剤、放射線、肝炎などのウイルス感染で引き起こされます。

症状は、あらゆる箇所での出血傾向が強まります。

また好中球(白血球のメイン細胞)の減少で感染症にかかりやすくなったり、腎臓の造血産生に関わるエリスロポエチンの数値の増加が尿中で見られるようになります。

◆腎性貧血

腎性貧血は、慢性的な腎不全によって出現する貧血です。

腎臓が機能しなくなってしまった透析患者に多く見られます。

◆巨赤芽球性貧血

葉酸が欠乏することによって起きる貧血です。

赤血球が出来上がるためには、葉酸が必要になっていきます。

葉酸がないと、赤血球になる手前の赤芽球と呼ばれる細胞が正常に成長ぜず、大きく成長した状態になります。

この状態では、ヘモグロビンに鉄を持つことができないため、存在していても酸素を運ぶ能力はありません。

そんな酸素を運べない赤血球が増えてしまう貧血なのです。

症状としては、消化器症状が多く、食欲不振、心窩部の不快感が現れます。

◆悪性貧血

悪性貧血も実は、巨赤芽球性貧血の一種なのですが、こちらはビタミンB12が不足することによって起きる貧血を主に指します。

つまり、赤血球を正常に作る前段階にはビタミンB12と葉酸が必要なのです。

症状としては、巨赤芽球性貧血の消化器症状に加えて、神経症状が現れやすくなります。

葉酸とビタミンB12の関係は、妊活、妊娠中のサプリメントでも重要な意味を持ちますので、この後の内容でしっかりとお伝えいたします。

もしかして貧血じゃないかもしれない?!

皆さんの中には、貧血で鉄剤を服用している方も多いかもしれません。

しかしなかには、鉄剤を内服しているのにも関わらずよくならない方がいらっしゃいます。

それは、本当に鉄の欠乏によるものなのでしょうか?

そもそも貧血ではなく別の要因で検査値の鉄の数値が下がっているだけなのではないでしょうか?

鉄が数値として不足する根本原因、または減っているわけではない可能性を知らずに「鉄が少ない=貧血」と診断されないように、またご自身でも「鉄が少ない=鉄分補給」としないように知っておきましょう。

◆炎症反応

鉄欠乏性貧血でも少し書きましたが、実は炎症反応が起きていることでも鉄が消費されている事実をご存知でしょうか?

なんで炎症で鉄が消費するのかというと、鉄には強い酸化力を持っています。

つまりは、活性酸素を大量に生み出す触媒になるような働きがあると言われております。(フェントン反応)

これをうまく利用して、抗がん剤治療でも鉄の注射剤と高濃度ビタミンC点滴を組み合わせて、活性酸素をがん細胞内で発生させて治療して、がんを減らすことに成功した論文や症例報告も出されております。

また、今回の場合には、過剰な炎症反応で鉄が消費されると鉄の再利用されず排泄されてしまうと言われております。

そのため、血液内の鉄の数値は低くても、貯蔵鉄の数値となっているフェリチン値は高値を示す、鉄欠乏性貧血との違いがございます。

しかし、その貯蔵鉄も炎症が長引けば消費されてしまうわけなので、根本の原因は体のどこかの炎症を抑えない限り、鉄の数値的な改善は期待できないのです。

つまりは、最初にやるべきなのは鉄を補うことではなく、炎症の根本治癒となります。

肝炎や腸の粘膜の炎症(リーキーガット、潰瘍性大腸炎、クローン病)、胃・十二指腸潰瘍、がんまで可能性として疑えます。

他にも血液中の鉄が減る理由として、細菌が生存・増殖する際に血液中の鉄を必要とすることが分かっており、私たちの体は細菌の生育しにくい環境を作るために鉄を減らしていることもあります。

◆低血圧

花野井薬局

そもそも鉄欠乏の貧血だとあまり検査もしないで、鉄を補給してたけど本当は低血圧でしっかりと酸素が運搬されていないなんてこともあります。

貧血は、酸素供給がうまくいかないことで起こりますので、「女性で貧血=鉄欠乏性貧血」と決めつけてしまう方も女性の中には多いと思います。

ご自身が低血圧ではないか確かめてみましょう。

◆亜鉛不足

生理不順や不妊の原因になる妊婦にも意外と多い「亜鉛欠乏性貧血」ご存知でしょうか?

鉄欠乏性貧血の治療をしている方の中で、効果がイマイチで改善されなかった方に、鉄だけでなく亜鉛を併用したことで改善した例もあります。

赤血球を作るうえで亜鉛が必要なことは、実はまだメカニズムが分かっていない部分もあるようですが、亜鉛が不足すると赤血球の形を小さくかつ歪になってしまうと言われております。

亜鉛は、食事からも摂取することができますが、体への吸収率が5%ほどと悪いためにいつも不足しやすい栄養素と言われております。

貧血症状のある女性の8割が「鉄欠乏性貧血」だと言われていおり、また「亜鉛欠乏性貧血」は5割と言われております。

◆銅不足

酸素を運ぶためには赤血球を安定して正常に作っていくことが大切です。

その際に、鉄ばかりを意識してしまいますが、赤血球のヘモグロビンに鉄がしっかりと導入されないと酸素を運ぶことができません。

その鉄をしっかりとくっつけるための酵素に実は銅が触媒になっているのです。

銅は、鉄の体内利用時の「セルロプラスミン」や、ヘム合成の時の「5-アミノレブリン酸デヒドラターゼ」「フェロケラターゼ」を担う酵素の必須成分であり、銅欠乏による貧血に有効です。

また、銅には鉄の再利用を促すことも知られております。

鉄剤の投与では治らなかった貧血患者に銅を補うと治るケースがあるとの報告があります。

しかし、患者数としては鉄、亜鉛よりも少ない傾向にあります。

妊婦さんと貧血

そもそも何で妊娠すると貧血になりやすくなるのでしょうか?

今までは、自分の分の血液で充分だったのが、お腹の中の胎児が育つことでもう一人のヒトの血液をお母さんが補わないといけなくなりますので、どうしても貧血にはなりやすくなります。

それがへその緒とお母さんがつながり始める妊娠14週以降と考えられます。

それ以降は、血液が通り栄養分もお母さんから送られることになります。

それまでは、栄養ももらわずに自分の力で育ってきたとも言えるでしょう。

そして、この時期の母体は胎盤が出来上がることも関係して、おりものが増えていきます。

そのため、貧血にはなりやすくなるので、より注意が必要にもなってくるでしょう。

妊娠中サプリメントの選ぶ視点

◆葉酸

葉酸は、DNAの合成や赤血球の生成に関わる栄養素です。

葉酸を意識的にサプリメントで摂取している女性も多いようです。

また、葉酸を積極的に摂取する理由として、胎児の先天異常である神経管閉鎖障害や無脳症のリスクを減らすことが主な理由となっているでしょう。

しかし、葉酸を過剰にとり過ぎてしまうと、ビタミンB12欠乏による悪性貧血を隠してしまい、それが進行する母体側の重篤な後外側脊髄変性の発見が遅れる危険があります。

他にも葉酸の過剰摂取は、母体の食欲不振、吐き気、不眠症、むくみなどの副作用を引き起こします。

  • 妊娠1か月以上前~妊娠3か月:通常摂取量240㎍+栄養補助食品から400㎍
  • 妊娠4か月目~正産期:通常摂取量240㎍+栄養補助食品から240㎍
ビタミネ

また、最近では吸収率を上げるために、葉酸が連なった「ポリグルタミン酸型葉酸」よりも1つずつ切断された「モノグルタミン酸型葉酸」の推奨や製品も増えてきております。

個人的な考察となりますが、「モノグルタミン酸型葉酸」は腸内細菌や酵素の分解や代謝の力を必要としない分、吸収率が高く過剰摂取になりやすいと考えております。

栄養素の体内への移行は、腸内細菌や酵素による自然選択性があってこそで、サプリメントだけでなく食品からの栄養素をすべて吸収しないからこそ、調整がなされていると私は思ってます。

なので、しっかりと葉酸だけでなく栄養素を吸収できるように、腸内細菌を補填したり、よく食事を噛んで食べたり、消化管の粘膜を炎症なく正常に保つことを妊活の時から、妊娠して産後以降も継続して栄養素の吸収と排泄の選択力を上げることも大切なように思うのです。

個人的にオススメサプリメント

【Nova Scotia Organics】ビタミンB群+葉酸 エナジーバーン

◆鉄

皆さんは、どんな鉄を貧血に使ってますでしょうか?

鉄は大きく分けて有機鉄無機鉄に分けられますが、無機鉄はいわゆる鉄クズと同じで、「鉄玉」や「南部鉄器」は実は品質が悪いと体にとってあまりよくない鉄かもしれないことをご存知でしょうか?

鉄の種類        備考
ヘム鉄
(Fe2+)
吸収率は、10~30%で動物性の肉や魚に多く含まれます。
非ヘム鉄
(Fe3+)
吸収率は、5%以下で穀物、野菜、果物に多く含まれます。
吸収過程で胃酸の影響を受けやすいため吸収率が低く、場合によっては活性酸素を発生させます。
無機鉄 吸収率は、5%以下で腸管の粘膜に吸着しやすく、胃腸障害を起こし、その原因が活性酸素によるものです。

また、病院で処方されたの鉄剤を飲んで、便が真っ黒くなったり、胃痛やムカつきなどの症状が起こす原因は無機鉄によって活性酸素が発生し炎症が起こるからです。

鉄剤の過剰摂取は、逆に体を老けさせてしまう原因になるとも考えてよいでしょう。

鉄分を効率的に摂取するには、胃酸の力とビタミンCが補助的に作用します。

鉄分だけをサプリメント で摂らずに、ビタミンCも併用して吸収率を上げてみるだけでも、摂取する鉄サプリメントの量を少なくし、胃腸に残らないようにしましょう。

個人的にオススメのサプリメント

【Nova Scotia Organics】鉄分+ビタミンC ベジ鉄ブレンド

貧血を防ぐ妊娠サプリメントの考え方の提案
妊娠1ヶ月以上前~妊娠3ヶ月葉酸とビタミンB12を含んだ
ビタミンB群サプリメント
妊娠4ヶ月以降鉄と亜鉛、ビタミンC併用サプリメント

食事療法

◆薬膳

黒米
薬膳では、老化を抑制すると言われております。
アントシアニンとビタミンEを含み、貧血気味の人には血行を良くして血液を補います。
ナツメ(大棗・タイソウ)
血液を増やす作用があるため、貧血の時に最適です。
ほうれん草
血の巡りを良くし、鉄分とビタミンCを含むため貧血に有効な食材です。
黒きくらげ
血液に栄養を与える食材として用いられます。
貧血に加えて、婦人科系の不調にも効果が期待できます。
牡蠣
「海のミルク」と呼ばれるほど栄養価が高く、鉄、亜鉛、マグネシウム、銅などのミネラルを豊富に含むため貧血にもよい食材です。
他にも解毒作用、精神安定、免疫力向上、高血圧予防にも用いられます。
ひじき
血を補い、貧血、抜け毛、乾燥肌を予防し、水分代謝を促します。
鉄、マグネシウム、カルシウムなどのミネラルが豊富に含みます。

代替療法

◆ホメオパシー
(同種療法:妊娠・授乳期使えます)

※エインズワース社基本レメディー42種より提案

レメディ名     適応
チャイナ外傷や出産による出血後の貧血の回復に
フェーラム・フォス多量に出血した鼻血
出血量の多い生理による貧血に

別会社でキット以外も販売あり

◆ジェモセラピー
(蕾療法:蕾のチンキ剤
ほとんど妊娠・授乳期使えます)

※エルビオリス社のミックスレメディ17種より提案

ミックスレメディ名        適応
メノリスすべての女性に

生理出血による貧血のサポートに

購入先:ジェモセラピーストア
シングルレメディもありますが、ジェモセラピストからのみ購入

◆メディカルハーブ
(茶療法:妊婦・授乳期使えないものあり)

ネトル
適応
ビタミンA、Cの他に鉄、カルシウム、カリウムなどのミネラル類も豊富に含まれるハーブです。
妊婦
ハイビスカス
適応
疲労に効くクエン酸、アントシアニンだけでなく、鉄とカリウムのミネラル類も含みます。
夏バテの時や美肌にも効果的です。
妊婦
マテ
適応
ハーブティーの中かでカフェインを含有するハーブティーです。
「飲むサラダ」とも呼ばれており、ビタミンと鉄、カルシウムなどのミネラルを豊富に含みます。
妊婦
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購入先

生活の木ニールズヤードレメディ
コスメキッチンenherb 

◆漢方
(妊婦・授乳期使えないものあり)

十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
体力虚弱な方の貧血、疲労倦怠、食欲不振など
妊婦:○

加味帰脾湯(かみきひとう)
体力中等度以下で、心身が疲れ、血色が悪い方の貧血、不眠症、精神不安 など
妊婦:○

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
体力虚弱で、冷え症で貧血の傾向があり疲労しやすい方の産前産後の貧血、足腰の冷え症など
妊婦:○

販売先:ハル薬局

東洋医学では貧血の方は、血虚または瘀血と呼ばれる体質の可能性が高いです。

ご自身の体質のチェックをして、生活習慣の見直しをしてみるようにしましょう。

東洋医学から診る自然との調和と自分の体質【セルフ・プロファイリング②】

参考

visual core pharma 薬物治療学
SCHOENFELD, Joshua D., et al. O2⋅− and H2O2-Mediated Disruption of Fe Metabolism Causes the Differential Susceptibility of NSCLC and GBM Cancer Cells to Pharmacological Ascorbate. Cancer Cell, 2017, 31.4: 487-500. e8.
「3.鉄と炎症」鉄代謝の臨床 鉄欠乏と鉄過剰:診断と治療の進歩 日本内科学会雑誌第99巻第6号
「鉄と亜鉛の単独もしくは同時欠乏の生体影響」Biomedical Research on Trace Elements 26 (3): 124–133, 2015
薬膳・漢方 食材&食べ合わせ手帖
日本ホメオパシー振興会
ホメオパシー大百科事典 新ビジュアル版
ニールズヤード式セルフケアのためのホメオパシー
日本ジェモセラピー協会ジェモセラピストテキスト
日本メディカルハーブ協会ハーバルセラピストテキスト
ニールズヤード式 メディシナルハーブレッスン
アロマ&ハーブの教科書
医師が教える 自然療法症状別セルフケアバイブル
自然のお守り薬
ニールズヤード式 女性のための症状別ナチュラルケアBOOK
漢方薬使い分けの極意
漢方療法シリーズ – 日本産科婦人科学会(2000年5月)
「妊婦への投与に注意が必要な漢方薬」公益社団法人 福岡県薬剤師会
「妊婦に慎重投与の漢方薬一覧表を活用」 日経DI(2014年10月14日)

他の不調に関しては以下のリンクからリストを随時更新

マイ・ホリスティック・ナチュラルメディスン

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